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シムサーキット有限会社は回路シミュレーションに関連する技術/製品/サービスを提供する会社です。

LTspice TIPSHow to use LTspice


 LTspiceは、少し凝ったモデリングなどをしようとしなければ、簡単に回路シミュレーションできる機能を十分に持っています。
しかし、Windowsの他のプログラムやその他のSPICEツールに慣れたユーザーから見ると、結構クセのあるソフトウェアではないでしょうか。
対策はそのクセを知り、それに慣れることしかありません。
ここでは、知っていると便利な使い方や、使いこなすのに障害となりそうなポイントへの対処法、「コツ」を紹介します。(更新:2018-08-25)

基本設定

回路図と波形の表示変更
メニューバーのTools-->Control Panelで現れたダイアログボックスのOperationタブをクリック。1行目のDefault Window Tile Patternで初期設定の「Horz」から「Ver」に変更。
回路図と波形表示のウィンドウが左右横並びに表示され、横長の画面では多くの場合見やすくなります。
なお、表示結果を見て、元の上下縦並びにしたいという場合は、メニューバーのWindow-->Tile Horizontallyを選ぶと簡単に変更できます。同様の手順で、回路図と波形表示をカスケード表示にしたり、"Close Everything"を選べば、いくつも開いた回路図や波形表示を一括で閉じることもできます。

フローティング・ウィンドウ
LTspice XVIIバージョンでは、回路図と波形のウィンドウがメイン・ウィンドウの枠から外して自由な場所に移動できるようになりました。マルチ・ディスプレイのシステムなどで、便利に使用できます。デフォルトの設定では、メイン・ウィンドウ内に収まっていますが、その枠を飛び越えて自由に移動できるようになります。
方法は、回路図キャプチャ、波形ビューアーどちらの場合も、ウィンドウ内で右クリックし、現れたプルダウンメニューの最下行のFloat Windowをクリックします。
フロートを元に戻すには、同じようにFloat Windowをクリックし、チェックを外します。

サンプル・ファイルの更新またはマイナー・バージョンアップの方法
メニューバーよりHelp-->AboutLTspiceXVIIをクリックし、バージョン更新日を確認。
メニューバーよりTools-->Sync Releaseをクリックし、ダイアログボックスが表示されたら、OKをクリック。
メニューバーよりHelp-->AboutLTspiceXVIIをクリックし、バージョン更新日が新しくなったのを確認。

回路図キャプチャ

手順が通常と逆に感じることに注意
個人差はあると思いますが、使いやすく感じる回路図エディタでは、常に選択モードになっていて、直接部品をクリックしたり、回路ブロックの範囲を選んだりでき、その後選択した部分のカット、コピー、回転、デリートなどの機能を指定します。
LTspiceの回路図キャプチャでは、まず機能モード(Cut, Copy, Move, Drag)を選択/指定してから、対象物にアクセスするという考え方です。
他で慣れている場合は、順序が通常と逆に感じるので慣れが必要です。各機能モードは、右クリックで解除できます。

部品や回路ブロックのコピー
メニューバーよりEdit-->Duplicateをクリックします。(ツールバーのCopyアイコンでも可)
カーソルの形状がコピー形状に変わった状態で、部品をクリックまたは回路ブロックの領域を選択してコピーし、希望する場所まで移動してクリックするとコピー部分が配置されます。
同一回路図内だけでなく、コピーした部品や回路ブロックをそのまま移動させ新しい回路図に配置することも可能です。コピー後、新しい回路図を選択しカーソルを移動するとコピーが新しい回路図に現れます。

部品や回路ブロックの削除
メニューバーよりEdit-->Deleteをクリックします。(ツールバーのCutアイコンでも可)
カーソルの形状がはさみの形状に変わった状態で、部品をクリックまたは回路ブロックの領域を選択して削除します。

カット&ペーストはできない
同一回路図内で部品やブロックを移動したい場合、Windowsの標準的な機能であるカット&ペーストが使えないので注意が必要です。
LTspiceでは
カット===>上記の通り、デリート(削除)のことで、データは一時保存はされず、なくなってしまいます。
ペースト===>使用不可。
従って、部品や回路ブロックを同一回路図内の別の場所に移動したい場合、カット&ペーストではなく、以下に示している「移動」を選びます。

部品や回路ブロックの移動
  1. 配線から切り離し、移動する(Move)。メニューバーよりEdit-->Moveをクリックすると、カーソルが手を開いた形になるので、部品や回路ブロックの領域を選択し移動します。配線を含んだ領域を選択した場合は、選択した部分を切り離し配線も含んで移動できます。
  2. 配線がつながったまま、移動する(Drag)。メニューバーよりEdit-->Dragをクリックすると、カーソルが手を握った形になるので、部品や回路ブロックの領域を選択し移動します。既存の配線はつながったままで選択した配線も含んで移動できます。

部品や回路ブロックの回転とミラー反転
回転とミラー反転は、コピーや削除のように専用のモードはなく、上記の移動モードをまず選びます。若干ルールが違うので注意が必要です。
上記の方法でMoveまたはDragをクリックしてから、部品や回路ブロックを選択し、その後キーボードの「Ctrl+R」で回転、「Ctrl+E」でミラー反転します。

回路図の拡大縮小
マウスのスクロールホイールにより回路図の拡大縮小が可能。その際、拡大縮小の中心はポインタの位置となります。
回路図の編集が終わり、すべての回路部品を図面内に表示するには、メニューバーよりView-->Zoom to Fitをクリックします。

背景画像の変更
プログラム起動直後、デフォルト設定では回路図キャプチャ全面に汚いシミ(^^;)のような模様が表示されます。これは、「アンティキティラ島の機械」というものだそうです。「天体の動きを計算して宇宙の営みを示す機械であり、世界最古のコンピューターと言える」という由緒ある機械をデザインしたものなのだそうですが、もし、デザインがあまり好みではないという場合、変更することができます。メニューバーよりTools-->Control Panelをクリックします。Operationタブをクリックし、真ん中辺りのBackground imageのプルダウンメニューで、好きな絵柄を選びます。アリスタルコスの『太陽と月の距離と大きさについて』などや、ユーザーネーム・フォルダ直下にLTspiceXVII.jpgという名前で画像ファイルを用意して、オリジナルの背景を設定することもできるようです。

波形ビュアー

波形表示の段数を増やす
メニューバーよりPlot settings-->Add Plot Paneをクリックし、最大25ペインまで表示段数を増やすことができます。
波形ラベルをドラッグ&ドロップすることで、自由に波形のペイン間移動ができます。

波形表示設定の保存
シミュレーションを実行後、波形表示を設定しますが、これは結構手間がかかります。次回シミュレーション結果を参照するときに、設定を保存していないと、またこの面倒な同じ作業を繰り返さなければなりません。
設定を保存する方法は、メニューバーよりPlot settings-->Save Plot Settingsをクリックし、保存ボタンをクリックします。通常は回路図ファイル名と同じ名前のままで設定ファイルを保存すればよいと思います。
次回この回路図ファイルを開き、メニューバーよりView-->Visible Tracesをクリックすると、保存時の前回の設定で波形が表示されます。
一度保存すれば、回路図ファイル名を変えない限り、回路図を変更してシミュレーション実行しても同じ表示設定が適用されます。
 回路図ファイルが示されていて、それを"Run"させてみると真っ黒な波形表示画面が出ると、がっかりしてしまいます。LTspiceでは、回路図ファイルと波形表示設定ファイルが分離されていて、設定ファイルの自動保存もされません。回路図ファイルを他の人に提示する場合は、波形表示設定ファイルも必ずセットで提示することを、推奨します。

波形データのカーソルによる読み取り
描かれた波形の任意のポイントのデータを、数値として読み取りたい場合があります。カーソルを波形上にマニュアルで重ねると、X-Y座標としては読み取れますが、簡易的になら構いませんが、正確に波形にぴったり合わせるのは困難です。メニューバーを探しても、それらしい該当項目はありません。
この場合は、
  1. 波形ラベルを右クリックします。現れたExpression Editor内のAttached Cursorの欄のプルダウン・メニューをクリックします。
  2. メニューから、読み取りたいポイントが1つなら「1st」または「2nd」を選びます。2つの波形で読み取りたい場合は、どちらか一方を「1st」他方を「2nd」とします。1つの波形上で2つのポイントを指定して、2点間のX軸やY軸における差、波形の傾きなどを見たい場合は、「1st & 2nd」を選びます。
  3. OKをクリックすると、波形画面いっぱいに十字カーソルが現れ、そのクロスポイント点の値が、別途現れた小さな測定値ウィンドウに表示されます。
  4. 十字カーソルの縦のラインをドラッグすることによって、希望するポイントへ移動できます。左右の矢印キー「←」「→」を使うと微調整が可能です。
  5. 読み取りが終了したら、測定値ウィンドウを閉じると、元の画面に戻ります。
シミュレーション結果を使って計算・表示する
シミュレーション結果のノード電圧、素子・端子電流である出力変数を使って、それらや定数による演算の結果をグラフに表示することができます。理論式が分かっていれば、その式を波形表示できます。必要であれば、本体の回路に影響ないような特別な測定回路を、回路図内に組み、数式に反映させることもできます。
手順は、波形ビュアーのメニュバーより、Plot Settings-->Add tracesとクリックし、現れたウィンドウで出力変数を選ぶと、下の欄に変数が入力されるので、希望する数式を作成し、OKをクリックします。
回路内の部品の消費電力を、波形として表示するとき、部品に加わっている電圧と流れる電流を掛け算すればよいわけですが、この場合は、回路図キャプチャの特別な機能を使えます。Altキーを押しながら回路図上の部品にカーソルを合わせると、カーソルが棒状温度計に変わります。そこでクリックするとその部品の消費電力が数式とともに波形表示されます。


参考文献:LTspiceで学ぶ電子回路(渋谷道雄 著、オーム社)、LTspice電子回路シミュレータ(北川章夫 著、工学社) 関連書籍ページ参照