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シムサーキット有限会社は回路シミュレーションに関連する技術/製品/サービスを提供する会社です。

汎用モデル&マニュアル・パッケージ:「何故OPアンプには入力が2つあるのか?」
Model & Manual Package : with OP amp Universal Models & Comparator Universal Models


〜SPICEによって学ぶ「OPアンプを使ったアナログ回路の基本・基礎・本質」〜

アナログ回路の基礎となるOPアンプ回路ついて、SPICEシミュレータを活用しながら理解することを目標としています。以下の内容ををパッケージにしてご提供します。
汎用モデル」(UOPAMP_00, UCOMP_00シリーズ )
   OPアンプ・モデルに加えてコンパレータ・汎用モデルも添付。 データシートから抽出したモデル・パラメータ・データ集も添付。
回路図ファイル(特性測定回路・応用回路)」
  汎用モデルを使った回路図ファイル(数90以上、LTspiceでは解析ごとに分けているので150以上)、 マニュアルの7章、8章とリンク。 
マニュアル・解説:何故OPアンプには入力が2つあるのか?
  シミュレータを使ってOPアンプの設計・解析・実験を行う場合に必要不可欠な「技術情報」と添付モデルの使い方の実際 。PDF版。 

   

添付されるオリジナル「OPアンプモデル」について

OPアンプ汎用モデルとは

 個別のOPアンプの特性を組み込んだモデルではなく、それぞれのOPアンプのデータシートから主要特性値をパラメータとして入力することで作成できるモデルです。
既成のモデルの場合は、どの特性を組み込んでいるか、その値はいくつで設定しているかなど、分かりにくい場合が多いと思います。回路に問題がないと分かっていて、予想外のシミュレーション結果が出た場合、それをどう理解すべきか、OPアンプモデル特性のどこに原因があるのか、判断に迷う場合もあると思います。
OPアンプ汎用モデルは、ユーザー自身がパラメータを指定するので、これらの原因は、パラメータを変えながらの何回かのシミュレーションで見つけ出すことが可能です。
 さらに、注目する特性以外は理想的なパラメータ値とすることで、どのパラメータがどう特性にかかわっているかなどを簡単に実験できます。現実のICを単に模擬するだけでなく、「もし、○○ならばどうなるか」という通常のモデルでは不可能なさまざまな実験も可能です。
 また、UOPAMP_01〜04と理想OPアンプに近いものから多くの機能を追加したモデルが用意されているので、設計ステージごとに段階的に使用モデルを変えたり、必要な機能のみに限定したりすることで、設計/解析効率を上げることができます。

オリジナルのOPアンプ汎用モデルの概略
UOPAMP_01 : 必要最低限の機能でOPアンプ回路のシミュレーションを行いたい場合に使用。回路図作成時に非常に煩わしい電源配線を省略した3端子シンボル。主極のみの周波数特性、出力電圧の電源電圧による制限、スルーレート設定可能。

UOPAMP_02 : 電源配線の必要がない3端子シンボルで、01モデルにはない特性を含めてシミュレーションしたい場合に使用。01モデルに加えて、第2ポール、オフセット電圧、バイアス電流、出力飽和電圧、最大出力ソース/シンク電流、同相入力抵抗、同相入力容量、同相入力電圧範囲を追加。

UOPAMP_03 : 電源配線の必要がない3端子シンボルで、多くの特性を含めてシミュレーションしたい場合に使用。02モデルに加えて、第3ポールおよびゼロ、CMRR特性、PSRR特性を追加。

UOPAMP_03R: 上記モデルの出力抵抗端子部分を外出しとし、2つの端子間にユーザーが設計例を参考に、オープンループ出力インピーダンス回路を求めて、外部接続できるようにしたモデル。データシートにオープンループ出力インピーダンス特性が記載されている場合に、より精密なモデリングが可能。

UOPAMP_04 : 03モデルにさらに特性を追加したモデル。測定のために電源ラインも追加した5端子シンボル。03モデルに加えて、無負荷静電源電流、入力雑音電圧・電流密度を追加。電源ラインのない03モデルでは不可能なPSRRのAC特性のシミュレーションも可能。

UOPAMP_04R: 上記モデルの出力抵抗端子部分を外出しとし、2つの端子間にユーザーが設計例を参考に、オープンループ出力インピーダンス回路を求めて、外部接続できるようにしたモデル。データシートにオープンループ出力インピーダンス特性が記載されている場合に、より精密なモデリングが可能。

機能一覧表
 モデル・パラメータ UOPAMP
_01
UOPAMP
_02
UOPAMP
_03
UOPAMP
_03R
UOPAMP
_04
UOPAMP
_04R
開ループ電圧利得 (dB) or (倍)  ○  ○  ○  ○  ○  ○
利得帯域幅積 (Hz) or
第一ポール周波数 (Hz)
 ○  ○  ○  ○  ○  ○
第二ポール周波数 (Hz)    ○  ○  ○  ○  ○
第三ポール周波数 (Hz)      ○  ○  ○  ○
ゼロ周波数 (Hz)      ○  ○  ○  ○
スルーレート (V/μs)  ○  ○  ○  ○  ○  ○
正電源電圧値 (V)  ○  ○  ○  ○    
負電源電圧値 (V)  ○  ○  ○  ○    
正側出力飽和電圧 (V)    ○  ○  ○  ○  ○
負側出力飽和電圧 (V)    ○  ○  ○  ○  ○
最大出力ソース電流 (A)    ○  ○  ○  ○  ○
最大出力シンク電流 (A)     ○  ○  ○  ○  ○
出力抵抗 (Ω)  ○  ○  ○    ○  
差動入力抵抗 (Ω)  ○  ○  ○  ○  ○  ○
同相入力抵抗 (Ω)    ○  ○  ○  ○  ○
差動入力容量 (F)   ○  ○  ○  ○  ○  ○
同相入力容量 (F)     ○  ○  ○  ○  ○
入力オフセット電圧 (V)    ○  ○  ○  ○  ○
-入力端子バイアス電流 (A)    ○  ○  ○  ○  ○
入力端子オフセット電流 (A)    ○  ○  ○  ○  ○
同相入力電圧上限値 (V):正電源電圧との差    ○  ○  ○  ○  ○
同相入力電圧下限値 (V):負電源電圧との差     ○  ○  ○  ○  ○
同相モード除去比 (dB)      ○  ○  ○  ○
CMRR零点周波数 (Hz)      ○  ○  ○  ○
正電源電圧変動除去比 (dB)      ○  ○  ○  ○
+PSRR零点周波数 (Hz)      ○  ○  ○  ○
負電源電圧変動除去比 (dB)      ○  ○  ○  ○
-PSRR零点周波数 (Hz)      ○  ○  ○  ○
無負荷静電源電流 (A)          ○  ○
入力雑音電圧密度 (V/√Hz)          ○  ○
入力雑音電圧密度 1/f 周波数 (Hz)          ○  ○
入力雑音電圧密度フラットバンド値 (V/√Hz)          ○  ○
入力雑音電流密度 (A/√Hz)          ○  ○
入力雑音電流密度1/f 周波数 (Hz)          ○  ○
入力雑音電流密度フラットバンド値 (A/√Hz)          ○  ○

    
オリジナルのコンパレータ・モデルの概略
UCOMP_03, UCOMP_03O : 電源配線の必要がない3端子シンボル。03タイプは、出力がプッシュプル型で、03Oタイプは出力がオープン型(オープンコレクタ/オープンドレイン)です。

UCOMP_04, UCOMP_04O
 : 変動する電源に接続できるように、電源ラインも追加した5端子シンボル。04タイプは、出力がプッシュプル型で、04Oタイプは出力がオープン型(オープンコレクタ/オープンドレイン)です。


マニュアル部の目次

第1章 OPアンプとは
 
第2章 負帰還とは何か
 
第3章 OPアンプの歴史
 
第4章 直流特性の理解:理想OPアンプとイマジナリー・ショートという近似
 
第5章 交流特性の理解:3種類のループゲインと安定性判別法
 
第6章 OPアンプ汎用モデル/コンパレータ汎用モデルの使い方

第7章 SPICEを使ったOPアンプ特性の測定
 7−1  出力飽和電圧
 7−2  最大出力制限電流
 7−3  入出力インピーダンス
 7−4  入力オフセット電圧、入力バイアス電流
 7−5  開ループ・ゲイン、ループゲイン、閉ループ・ゲイン、利得帯域幅積
 7−6  位相余裕
 7−7  スルーレート
 7−8  同相信号除去比
 7−9  電源電圧変動除去比
 7−10 出力ノイズ電圧
 
第8章 SPICEを使ったOPアンプ回路/コンパレータ回路の実験
 8−1  基本回路
 8−2  電流検出回路
 8−3  信号源回路
 8−4  フィルタ回路
 8−5  非線形回路
 8−6  信号の調節回路
 8−7  コンパレータ回路
 8−8  センサー回路
 8−9  オーディオ回路

付 録 LTspice/PSpice/TopSpiceで使用可能なその他のOPアンプ汎用モデルの解説


バナースペース

マニュアル・解説 表紙